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光と影、明と暗、西と東。この対立と調和が織り成す美の世界に魅せられたことはありますか?
今回ご紹介するのは、日本の重要な作家である谷崎潤一郎のエッセイ『陰翳礼讃(いんえいらいさん)』です。
この作品は、我々が日常で何気なく過ごしている空間や物の中に潜む、影と光、そしてそれらが生み出す独特の美を見つめ直すことを促します。
Kindle版を手に取れば、いつでもどこでもこの深淵なる思索の世界を覗くことができます。
それでは、一緒にこの光と影の交わりに耳を傾けてみましょう。
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【さくっとチェック】簡単なあらすじ
『陰翳礼讃』は谷崎潤一郎による1933年のエッセイで、西洋と東洋の文化と美の理解について深い考察を行い、特に光と影に対する異なるアプローチを強調します。
建築や食事、化粧品、さらにはトイレに至るまで、日常生活のあらゆる側面を通してこの視点を展開します。
また、谷崎は光と影、明るさと暗闇の間の対比を用いて、東西の文化の違いを鮮やかに描き出しています。
陰翳礼讃のあらすじ
『陰翳礼讃』は、日本の作家谷崎潤一郎さんが1933年に書いた、日本の美についてのエッセイです。1977年には英語に訳され、さらに2017年には新しい英訳版も出版されました。
このエッセイでは、谷崎さんが、光と闇を使って西洋とアジアの文化を比べています。
本書では、西洋は進歩を求めていつも明るさを追い求めるのに対し、東アジアの芸術は陰影と繊細さを大切にしていると説明しています。
それだけでなく、建物の構造や、工芸、食事、化粧品など、さまざまなテーマについても深く考えています。全体で16の章からなり、それぞれが違ったテーマを取り上げているのが特徴。
さらに、谷崎はエッセイを通して芸術や工芸、紙作り、漆器のデザイン、日本の部屋などについての視点も共有してくれます。
日本の美学について改めて考え直すきっかけになりますよ。
陰翳礼讃の見どころ
この本の見どころは、光と闇を使って西洋と東洋の文化の違いを見事に描き出しているところでしょう。
たとえば、一つの論点としてトイレについて言及しています。歴史的に見て、トイレは日本の建築において薄暗く清潔な空間であり、彼にとっては精神的な安らぎの源となっています。
しかし、彼は、白いタイルと過剰な照明といった西洋の好みがトイレ体験の詩的な側面を台無しにしていると考えています。
これは、西洋の介入なしでは日本の文明がどのように異なっていたかについての議論につながります。
また、西洋が光沢と輝きを愛し、それが銀の磨きや明るくクリアなダイヤモンドに象徴されているのに対し、日本は透明でない結晶や、時間の経過とともに暗くなり美しさが現れるスズ製の物を好むことを指摘。
そして、西洋のゴシック建築の天井が空に向かって最高点を指し示すのに対し、日本の寺院は重いタイルの低い広大な屋根を展開し、極端な影を生み出し、建物の扉や壁を覆い隠すことも比較します。
このようなエピソードやシーンは、西洋の進歩主義者と日本の美学との間の対比であり、日本の美学がいかに影と暗闇を重視するかを具体的に示しています。
家の造りや食器、照明などが西洋化していく中で、日本美学の良さや東洋ならではの美の考え方を見つめ直すことができます。
【原作・英訳版】陰翳礼讃はKindleで読める?
「陰翳礼讃」は、2023年6月現在Kindleでも読むことができます。
各出版社が出版している本もKindle本の対象なので紙書籍よりも安く購入できますが、谷崎潤一郎の作品の多くは青空文庫の対象にも含まれているため、無料で読むことも可能。
英訳版はKindle Unlimitedの対象になっているので、青空文庫で原作を無料で読んだあとにKindle Unlimitedの英訳版を読むとコスパが良いのでおすすめです。
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陰翳礼讃が気に入った人に!谷崎潤一郎の作品おすすめ5選
『痴人の愛』
谷崎の初期の作品で、個人の性的欲望と社会的規範との間の葛藤を描いています。主人公の愛に対する執着と自己破壊的な追求は、読者に強い印象を与えます。
『細雪』
戦前の日本の上流階級の女性たちの生活を描いた作品です。四姉妹の恋愛と結婚を通じて、時代の変遷と伝統の喪失を描き出しています。
『卍(まんじ)』
東京の下町を舞台に、美と欲望について考察した作品です。作品は、主人公の女性が美しさを求めて危険な道を歩む様子を描いています。
『眠れる美女』
老年期の谷崎が、美と青春への郷愁をテーマに描いた作品集です。年老いた主人公が若い女性たちとの交流を通じて、時間とともに失われていく美しさを懐かしむ様子が描かれています。
『刺青』
性欲と美への執着を描いた短編小説です。美しくも恐ろしい女性が、刺青師の手によって「芸術作品」に変貌する過程が描かれています。
まとめ
今回は、Kindleで読める「陰翳礼讃」についてご紹介しました。
『陰翳礼讃』は、西洋の明るさと進歩志向と対照的に、日本の伝統的な美学とその陰影に対する敬意を深く描いています。
谷崎潤一郎は、建築、食事、化粧、そして人々の日常生活におけるさまざまな要素を通じて、光と影のバランスがどのように文化の美を形成するかを考察します。
この作品は、読者に日本の美学への新たな視点を提供し、日本の伝統的な価値観を再評価する機会をもたらしてくれるでしょう。
Kindleでは原作は無料の青空文庫、そして英訳版は定額読み放題のKindle Unlimitedの対象となっているため、日本の美学について今一度考えてみたい人はぜひダウンロードして読んでみてください。
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